環境を整え続ける
という考え方
亀の飼育は、「個体を飼う」というよりも「環境を整え続けること」です。「水温・水質・光・空気・スペース」これらすべてが、亀にとっての生活の場そのものです。一度整えて終わりではなく、季節や成長に応じて調整し続けることが重要です。
また、亀の生息地や特性(水棲傾向が強い・弱い、陸生傾向が強い等々)に合わせた環境を創り事も大事です。大事なのは、居心地の良い環境になっているのか、亀と会話する事です。もちろん亀は喋ってくれませんが、行動から読み取る力を身につけましょう。

生体を考える事も
大事ですが、
人の繋がりも大事
亀を飼育する事は、生体と向き合う事なので、自分もしくは家族という最小単位でも可能ですが、情報交換ができる友人がいると、広がりが無限大になります。年齢や職業、損得に関係ない人間関係って良いものですよ。
ガレージミーティング、タートルミーティング、タートルブリーダーズマーケットの様子
友人は国内だけではありません。海外のイベント参加でも友人はできます。
成長段階ごとに
変わる飼育環境
亀は成長に伴い、必要とする環境が変わっていきます。成長に合わせて環境を整えていくことが必要です。
孵化直後~初期
- 浅い水深での管理
- 餌喰いの確認
- 水質管理(清潔な水の管理)
※非常にデリケートな時期のため、無理をさせない環境づくりが最優先です。
成長初期(~3ヶ月)
- しっかり餌を食べる環境(水温、気温、水質、バスキングスポット)づくり
- 水の汚れに応じた水換え
- 成長や食べる量の把握
※この時期は成長が早く、餌と水質管理が重要になります。
成長期(~1年程度)
- 給餌量の調整(与えすぎ防止)
- 餌のバリエーションを増やす
- 水槽サイズの見直し
※身体の成長に合わせて、スペースや水量を見直す必要があります。
成体・成熟期
- 安定した水温・水質管理
- 運動スペースの確保
- 必要に応じた環境調整
※ここの段階では、「維持」と「観察」が中心になります。
水換えは「観察の時間」
水換えは単なる作業ではなく、身体のチェックの時間です。
- 怪我や傷、甲羅の状態
- 皮膚や体格の変化
- 排泄物の状態
※これらを確認する重要なタイミングになります。
水は必ず汚れます。汚れる具合は、その中で暮らす亀によって異なります。
- 個体数
- 亀のサイズ
- 餌の量(気温や季節によって食べる量が異なります)
- ろ過システムの有無
※回数を決めるのでなく「水の状態で判断する」ことが大切です。
給餌について

亀の飼育において、給餌は健康状態を大きく左右する重要な要素です。「何をどれだけ与えるか」によって、成長や体調、さらには寿命にも影響します。特別な餌が必要というわけではありませんが、バランスとれた餌を継続性を意識して与える事です。
※配合飼料、乾燥エビ等々専門店で購入できます。小魚や活きエビ、冷凍餌もあります。
基本となる餌の考え方
主食は配合飼料(亀専門の固形食)を中心にしながら、複数の餌を組み合わせて与えることが理想です。
- 配合飼料(主食)※いろんなメーカーの物を混ぜる事も工夫のひとつです。
- 乾燥エビなど嗜好性の高い餌
- 生餌(魚・エビ・昆虫等)
- 冷凍餌(小魚、エビ、肉類等)
- 肉類(脂身の少ない部位:ハツ等)
同じ餌だけを与え続けるのではなく、種類を変えることで栄養バランスが整いやすくなります。また、「個体サイズに応じた量」を意識し、「与えすぎない」ことが大切です。(太らせ過ぎには注意ください)
1回の餌の量の目安は頭の大きさ程度で5分ほどで食べきれる量が目安となります。
状態に応じた給餌
餌は常に同じ量・同じ内容で良いわけではありません。
- 成長期 → 多め・栄養重視
- 季節変化 → 食欲に応じて調整
- クーリング前後 → 控えめ
- 体調不良 → 無理に与えない
※その時の状態に合わせて柔軟に調整することが大切です。
水と食事の関係
餌を食べる様子は、健康状態を判断する大きなヒントになります。「食いつきが悪い」「食べ残しが増えた」こうした変化は、環境や体調に問題があるサインである可能性があります。逆に、しっかり食べているかどうかは、最も分かりやすい健康の指標のひとつです。
- 餌が多い → 水が汚れる
- 水が汚い → 食欲低下
※このように相互に影響するため、水と食事はセットで管理する必要があります。
四季による環境変化と注意点
日本では季節による影響が大きく、調整が必要です。特に温帯域に生息する亀には、季節を体感しないと発情しない種もいます。
- 春 → 気温不安定、給餌は慎重に
- 夏 → 水温上昇・蒸れに注意
- 秋 → 活動変化・餌の見直し
- 冬 → 低温管理、無理な冬眠はリスクあり
※季節に合わせた管理が大切です。
繁殖を考える前に
繁殖は簡単にできるものではなく、環境と管理の積み重ねによる結果です。事前に考えておきたいのは、「産まれた後どうするか」という視点を持つことです。
- 成熟した個体で雌雄が揃っている
- 温度変化(発情するための刺激や抱卵するために温度)
- 環境の安定(一定に保つことでなく、四季を感じる事ができる事)
これらの条件が揃うことで、自然と交尾や産卵といった行動が見られるようになります。また、繁殖が成功した場合は、産まれたすべての個体に対して、飼育環境・餌・日々の管理を継続して行う責任があります。
なお、亀の販売には「第一種動物取扱業(販売)」の登録が必要です。殖えた個体を安易に販売することはできないため、事前にしっかりと考えておくことが大切です。
